Monetization · 5 min read · Mallow & Marsh
シーズンパスのプライシング — Robux 価格帯と転換率の関係
シーズンパスをいくらで売るか。39 Robux にすれば多く売れる、399 Robux にすれば一人あたりの単価が上がる。実際、どの価格帯が「儲かる」のか。社内で複数タイトルを横断して見ているデータを元に、価格設計の判断軸を Mallow と Marsh が整理します。
この記事のまとめ
- Robux のシーズンパス価格帯は 39 / 99 / 199 / 399 が事実上の標準
- 転換率は価格に反比例。39R$ 帯は 99R$ 帯の 2.5〜3 倍売れる
- ただし「合計売上」のピークは 99R$ 帯。199R$ 以上は廃課金層向け
- 初期は 99R$ で出して、廃課金分析が進んでから 199R$ 以上を追加するのが鉄板
登場人物
Mallow
SENIOR CONSULTANT · 13Y
ZehnStudio26 のシニアコンサルタント。Roblox 黎明期から関わっている古株。難しい話を噛み砕くのが得意。
Marsh
ROBLOX 初心者 · 読者代表
あるブランド企業のマーケター。Roblox は最近気になり始めたばかり。専門用語が出るたびに「それ何?」と聞いてくれる、読者の代弁者。
Marsh
Mallow、シーズンパスを企画してるんですけど、社内で「いくらで売るか」が決まりません。安くしてたくさん売る派と、高くしてプレミアム感を出す派で割れていて。
Mallow
Roblox のシーズンパスは、業界の慣習として「39 / 99 / 199 / 399 Robux」の4価格帯が事実上の標準になってる。それぞれ、買う層も意味も違う。
Marsh
そもそも Robux って、リアル円換算でいくらですか?
Mallow
プレイヤー視点では概ね 1R$ ≈ 1.5 円。なので 99 Robux は約 150 円、399 Robux は約 600 円。コンビニで買うコーヒー1杯〜お弁当1食ぐらいの感覚。
Marsh
なるほど。じゃあ 4 価格帯、それぞれの意味を教えてください。
Mallow
39R$(お試し): 「ちょっと面白そう」で買う層。転換率が一番高いけど、客単価が低い。
99R$(標準): 通常の有料層。最も売上ボリュームを稼ぐ。
199R$(コア): ハマってる層。転換率は低いが、ARPPU(払う人の平均単価)を引き上げる。
399R$(廃課金): 一部のヘビープレイヤー。買う人は少ないけど、買う人の LTV は桁違い。
Marsh
ARPPU って、また知らない単語が……。
Mallow
Average Revenue Per Paying User の略。「払ってくれた人 1 人あたり、いくら払ってくれるか」。リアル店舗で言うと、客単価。これに「払ってくれる人の割合(PCVR)」を掛けるとゲーム全体の単価が出る。
Marsh
つまり、安くすると数は出るけど、客単価は下がる。高くすると客単価は上がるけど、買う人が減る。バランスが難しいですね。
Mallow
そう。実測値で言うと、39R$ の転換率は 99R$ の 2.5〜3 倍。ただし価格は 1/2.5 だから、合計売上はトントン〜やや 99R$ 有利。399R$ になると転換率は 99R$ の 1/5 ぐらいで、合計売上では 99R$ に届かないことが多い。
Marsh
ということは、99R$ が「合計売上ピーク」ってことですか?
Mallow
単一商品で売る場合は、ほぼそう。ただ、実際のヒットタイトルは「複数価格帯を並べる」。99R$ をメインに、39R$ をエントリーとして残し、199R$ や 399R$ を「上位パック」として置く。これで、各層から取りこぼさない。
Marsh
レストランのコース料理みたいですね。Aコース、Bコース、Cコース、特別コース、みたいな。
Mallow
いいたとえ。さらに言うと、「特別コース」は最初から出さなくていい。リリース直後は 99R$ メインで様子を見て、廃課金層が誰かわかってきたら 199R$ や 399R$ を追加するのが安全。
Marsh
廃課金層が誰かわかる、ってどう判断するんですか?
Mallow
Creator Hub の Analytics で「過去30日に何回シーズンパスを買ってるか」「Robux 累計消費」が見える。複数回 99R$ を買ってる層がいたら、その人たちが 199R$ や 399R$ を出した時のターゲット。
Marsh
なるほど。じゃあ、まとめるとどうなりますか?
Mallow
3つだけ。(1) シーズンパスは 39 / 99 / 199 / 399 R$ が標準で、99R$ が最も合計売上を取れる。(2) 上位価格帯は廃課金層向けで、リリース直後ではなく1〜2か月後に追加。(3) 単一価格より複数価格を並べて、層ごとに取りこぼさないのが鉄板。
Marsh
「99 を主役に、39 をエントリー、199・399 は様子を見て段階追加」。社内会議で説得しやすい言い方になりました。