Procedural Models が正式リリース — Roblox の AI × パラメトリック 3D が Team Create に降りてきた

2026 年 5 月 18 日、Roblox は Procedural Models を正式リリースしました。属性 (Attribute) を変えると 3D ジオメトリが再生成される新しい Instance タイプで、Luau で手書きするか Assistant の /generate_procedural_model コマンドで生成できます。4 月 23 日からのベータが今回 Full Release に。Team Create 対応、メモリリーク修正、全クリエイターに既定 ON。ブランド側のアセット制作フローが具体的にどう変わるかを Mallow と Marsh が読み解きます。

Procedural Models が正式リリース — Roblox の AI × パラメトリック 3D が Team Create に降りてきた
この記事のまとめ
  • 2026 年 5 月 18 日、Procedural Models がベータ卒業。全クリエイターに既定 ON、Team Create と公開済みエクスペリエンスで利用可能に
  • 新 Instance: ProceduralModel。Generator Module (Luau ModuleScript) に Attributes テーブルと OnGenerate 関数を定義。属性変更のたびに再生成され、Generated フォルダが上書きされる
  • オーサリングは 3 通り — Luau を手書き、Assistant に /generate_procedural_model でプロンプト (参照画像も付与可)、Studio MCP 経由で外部 IDE から駆動
  • ブランド観点の要点: バリエーション量産が一気に安くなる。ただし再生成で職人の手作業が消えるので、納品前に Generator プロパティをクリアして通常 Model に「ベイク」する運用が必須

登場人物

Mallow
SENIOR CONSULTANT · 13Y

ZehnStudio26 のシニアコンサルタント。Roblox 黎明期から関わっている古株。難しい話を噛み砕くのが得意。

Marsh
ROBLOX 初心者 · 読者代表

あるブランド企業のマーケター。Roblox は最近気になり始めたばかり。専門用語が出るたびに「それ何?」と聞いてくれる、読者の代弁者。

Marsh
Mallow、今週 Roblox から「Procedural Models が正式リリース」って出ましたよね。「コードや AI でパラメトリック 3D モデルを作れる」と書いてあるんですが、もうこの時点で頭が真っ白で。ブランド側として気にする話ですか?
Mallow
気にする話。順に説明する。まず物理的に何かというと、Studio に新しい Instance タイプが追加された。Insert Object → ProceduralModel で挿入する。Explorer 上は普通の Model に見えるが、中に Generator プロパティがあって、Luau の ModuleScript が紐づく。そのスクリプトが「梯子をこの高さで、段をこの間隔で、この色で」というルールを定義している。
Marsh
それで?
Mallow
あとは属性 (Attribute) を設定する。RungSpacing、RungThickness、Color など、スクリプトが公開している項目を変えるたびに、その場でジオメトリが再生成される。一度モデルを消して、再インポートして、位置合わせ直して、という作業がなくなる。
Marsh
でもそれって、Houdini や Grasshopper みたいな「パラメトリックモデリング」とどう違うんですか? 昔からあるじゃないですか。
Mallow
違いは 2 つ。(1) Studio 内ネイティブで動く — 外部ツールを挟んだエクスポート/インポートのダンスが要らない。(2) Roblox Assistant に Generator Module 自体を書かせられる。/generate_procedural_model 赤レンガの土台に白い漆喰の上層を持つ、様式化された丸い中世の城 と打てば、Assistant が Luau を書き、属性をセットアップし、動く ProceduralModel を返してくる。参照画像をプロンプトに付ければビジュアル方向性も固定できる。
Marsh
つまり最初にプロンプトで雛形を作って、あとはスライダーで詰める、と。
Mallow
その分業がポイント。プロンプトはラフカット、属性は微調整。AI で開始形を出して、パラメトリック制御でブランド要件に寄せていく。この 2 段構えがこの機能の本質。
Marsh
4 月 23 日のベータから、Full Release で何が変わったんですか?
Mallow
具体的に 3 点。(1) Team Create 対応 — 複数人で同じ place file を触れるようになった。(2) 公開済みのライブゲームでも動くようになった。Studio セッション内限定だった制約が外れた。(3) メモリリークと「サイズ 0 で固まる」リサイズバグが修正済み。さらに Beta Features パネルでの ON 操作が不要で、全員既定で使える状態。
Marsh
Team Create が使えなかったのって、エージェンシーの現場では結構痛かったんですよね?
Mallow
痛かった。ベータ中は実質一人しか触れず、5 人体制のエージェンシー案件ではマージ事故が怖くて採用しづらかった。これが今日からチーム並列で使える。導入障壁が一段下がった。
Marsh
どんなものを Procedural にするのが筋がいいんですか?
Mallow
「同じ造形だがサイズ / 色 / 個数が違う N バリエーション」が必要なもの全般。Roblox の発表で挙げられた例は、梯子、長さに応じてケーブル本数が変わる吊り橋、ダイニングセット、中世の城、植生 (foliage)。コミュニティ事例では、Procedural Island、Procedural Forest、Procedural Shelf。共通パターンは「同じものを別寸法・別色・別個数で量産」。
Marsh
ブランド業務に置き換えると?
Mallow
例えばリテール店舗ギミックを持つブランド体験。ゾーンごとに微妙にサイズの違う商品陳列棚を 12 個作る、という案件。従来フロー: 3D アーティストが 1 個作り、12 個複製、各サイズ手調整、商品画像差し替え。新フロー: Width / Height / ShelfCount / ProductImageId 属性を持つ ProceduralModel を 1 個用意し、12 個ドロップして 12 通り属性を設定、終わり。
Marsh
ブランド側から「全部紫にして」と来たら?
Mallow
親に 1 属性、伝播、再生成。半日 → 数分。同じロジックがイベント・バリエーションにも効く。「冬版で雪を載せる」「夏版で日除けを短くする」「コラボ版で相手ブランドのロゴ素材を差し替える」— Generator Module は 1 個、設定済みインスタンスを必要なだけ並べる。
Marsh
で、落とし穴は? 必ずありますよね。
Mallow
大きいのが 2 つ。(A) 再生成のたびに Generated フォルダが上書きされる。生成後にアーティストが頂点を手調整しても、誰かが属性を 1 つ触った瞬間に消える。(B) 「Join Surfaces」が非互換 — 生成時にジョイントが切れる。レガシーな weld snap と Procedural は組み合わせられない。
Marsh
安全な引き渡しフローは?
Mallow
2 フェーズ運用。イテレーション期間中: ProceduralModel のまま属性で動かす。ロック後: デザイン確定したら Generator プロパティをクリアする。これで現在のジオメトリが通常 Model に「ベイク」され、以後再生成されない。アーティストの手仕上げを安全に乗せられる。Roblox 自身がこれを推奨フローとして案内している。
Marsh
他の制約は?
Mallow
Packages 化はまだ未対応。Roblox は「今後数ヶ月内」に他の Package 改善と合わせて対応すると言っているが、現時点では ProceduralModel を Package に変換できない。複数の place 間で同じアセットを共有運用したいスタジオには痛い。当面の回避策は「先に通常 Model にベイクしてから Package 化」。
Marsh
コスト面は? Assistant 呼び出しに Robux がかかるんでしょうか。
Mallow
Full Release のポストには /generate_procedural_model のレート制限・プロンプト単価は書かれていない。当面は既存 Assistant の利用枠内と考えて運用、ただし使用量がスケールしたら課金体系が変わる可能性も想定しておく、というスタンスが無難。
Marsh
Studio MCP の話はどう関わってくるんですか?
Mallow
Studio MCP は Roblox の Model Context Protocol ブリッジで、Claude Code や Cursor のような外部ツールから Studio を操作できる仕組み。AI 駆動パイプラインを組んでいるエージェンシーなら、Studio を自分で開かずに、企画ドキュメントから 10 バリエーションをまとめてスキャフォールドするような運用が可能になる。
Marsh
ブランド側として確認すべきポイントは?
Mallow
3 つ。(1) 開発パートナーに、繰り返し系アセット (棚、サイン、モジュラー建材) のテンプレが ProceduralModel ベースに更新されているか確認。2026 年にもなって「複製してリサイズ」を続けているなら生産性のシグナル。(2) 月次ドロップやイベント更新が定常化している体験では、バリエーション戦略が「別 Model ツリー」ではなく「属性切り替え」になっているか確認。(3) アセットライブラリを複数 place で共有する設計なら、Package 未対応の制約を早めに表面化させて設計に折り込む。ローンチ中に発覚させない。
Marsh
失敗パターンは?
Mallow
2 つ。(A) アーティストが手仕上げしたバリエーションをブランドが承認 → 開発がさらに 1 属性触る → 手仕上げが消える → 承認やり直し。ポリッシュ前に必ずベイク。(B) Assistant 生成モデルが既定属性値では 正しく見える が、キャンペーンで実際に必要な極値 (最小サイズ・最大個数・極端な色) で破綻している。Generator 承認前にコーナーケースを必ず叩く。
Marsh
…で、エグゼクティブサマリーとしては?
Mallow
(1) Procedural Models が 2026 年 5 月 18 日にベータ卒業。新 Instance、Luau の Generator Module、Assistant の /generate_procedural_model、Studio MCP 対応、Team Create 対応、公開ゲーム内でも動作。(2) ブランド価値: バリエーション量産が安くなる、AI でラフカット + パラメトリックで詰めるフロー、イベント更新がコンフィグ変更に。(3) 落とし穴: 再生成で手作業が消える (ポリッシュ前にベイク)、Package 未対応、Join Surfaces 非互換。(4) 開発パートナーが繰り返し系アセットで実際に使っているかを確認すべき — 2026 年下半期の生産性差はここで開く。
Marsh
「N バリ作る」って、これまで予算項目だったんですよね。それが属性テーブルになる、と。

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