Stickiness(粘着率)は、月間アクティブユーザー(MAU)のうちどれだけが日常的に戻ってきているかを表す指標。DAU ÷ MAU で計算します。ゲームが「日課」になっているかを測る数字で、Roblox の収益化基盤の強さを最もシンプルに表す指標の一つです。
「日課」になっているか
Marsh
Stickiness って、DAU÷MAU だってわかるんですけど、感覚的に何を測ってるんですか?
Mallow
「あなたのゲームが、月に何回くらい開かれているか」。Stickiness 0.5 なら、月に半分の日は開かれている = 1日おき。0.2 なら 5日に1回。習慣化の指標。
Mallow
0.1以下だと「月1回しか来ない人がほとんど」だから、収益化が難しい。0.2が健全水準、0.4を超えるとトップクラス。Roblox全体だと0.15〜0.25が中央値帯かな。
Mallow
「毎日来る理由」を作る。デイリーリワード、日替わりミッション、シーズン進行、時刻指定イベント。コンテンツが固定だと飽きるから、変化が大事。Tycoon系のオフライン進行(8時間キャップ)も、朝・昼・夜の3回ログインを自然に促せて Stickiness に効く。
Marsh
Stickiness が高いと、ARPDAU や LTV にも効くんですか?
Mallow
直結する。月次 ARPU は ARPDAU × Stickiness × 30 で近似できる。Stickiness を 0.2 → 0.4 に倍にできれば、月次 ARPU も 2 倍。LTV も生存日数が延びるから比例で伸びる。Stickiness 改善は最もテコの効く投資と言われる理由。
Marsh
ブランド体験ワールドだと、Stickiness 0.4 ってちょっと高すぎるイメージがあるんですけど。
Mallow
その通り。ブランド体験は「キャンペーン期間中に集中的に接触」がゴールなことが多く、Stickiness より「期間内のリーチ数」を主指標にする方が事業ゴールに合う。常設のメインゲームを目指すなら 0.2 以上を狙う、キャンペーン型なら Stickiness は無視してリーチを取る、と使い分ける。
計算式と読み方
Stickiness = DAU ÷ MAU
Monthly ARPU 近似 ≒ ARPDAU × Stickiness × 30
- 0.1 以下: 改善余地大(月1〜3回程度)
- 0.2 前後: 健全水準(週1〜2回)
- 0.3〜0.4: 良好(2〜3日に1回)
- 0.5 超: トップクラス(ほぼ毎日)
具体的な数字で考える
Marsh
うちのエクスペリエンスで MAU 10,000、DAU 1,500 です。Stickiness は 0.15 ですよね。これは「マズい」ですか?
Mallow
中央値帯の下限。健全水準(0.2)まであと一歩。月1.5回しか来てない人が多い状態。改善余地は十分ある。
Marsh
これを 0.3 に持っていけたら、売上はどうなりますか? ARPDAU は変わらないとして。
Mallow
MAU が同じなら DAU は 1,500 → 3,000 に倍。ARPDAU $0.10 なら、日売上が $150 → $300。月売上は $9,000。2 倍になる。新規流入を倍にするより、既存ユーザーを倍の頻度で来させる方が、コストが低いことが多い。
Marsh
具体的に Stickiness を 0.15 → 0.30 にする打ち手の順番は?
Mallow
優先 3 つ。(1) デイリーリワードのストリーク化 — 7 日連続で報酬が伸びるカーブ。(2) 日替わりミッション — 1 日 3 個、リセットは毎日 0 時。(3) 時刻イベント — 平日夜 8 時に限定ボス、週末に限定マップ。これを 3 ヶ月運用すると、Stickiness は階段状に上がっていく。
ロブロックスでの読み方
Roblox Creator Hub の「Analytics」タブで DAU と MAU は標準表示されますが、Stickiness は自動計算されません。DAU の月間平均 ÷ MAU で計算します(厳密には日次 Stickiness の平均でも近い値が出ます)。週次のトレンドを見るなら、過去 30 日の DAU 平均 ÷ MAU で「ローリング Stickiness」を出す手法もあります。外部ツールの RoMonitor では Stickiness が直接表示されることが多いため、競合比較にはそちらが便利です。
よくある誤解
- 「Stickiness が高い = 成功」とは限らない: コア層 100 人で Stickiness 0.9 でも、規模が小さければ事業として成立しない。絶対 DAU と併読する
- 新規流入が増えると Stickiness は一時的に下がる: 新規は最初は毎日来ないため、MAU が DAU より速く増える。流入急拡大期の Stickiness は割り引いて見る
- ブランド体験で Stickiness 0.4 は不要: キャンペーン型ワールドの KPI は「期間リーチ」で、Stickiness ではない。事業ゴールに応じて使い分ける
関連する指標
- DAU / MAU: Stickiness の構成要素
- Day 1 / Day 7 Retention: 新規が定着するかどうかの上流
- Session Length: 来訪頻度×滞在時間で総合体力が決まる
- ARPDAU / Monthly ARPU: Stickiness を介して両者がつながる
- Day 30 Retention: Stickiness の中長期版。コアファン層の厚さを表す